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鴨太郎と私の異変①

「ねぇ、昴流ちゃん、ちょっと俺と結婚しない?」
「は?万事屋の旦那、とうとう糖が脳みそに回っちゃったの?みその糖漬け?おいしいの、それ」
ああ、だから寄り道なんかするもんじゃないって、お偉い将軍だか役人だかがよく言ってた。
せっかく午後までの仕事がはやく終わって、買い物にでも行こうかと歩き出した矢先に出会ったのが、やっかいごとの塊というか糖の塊というか、まぁとにかく昔も今もめんどくさいこの男。
かつて白夜叉と呼ばれた幕府の敵、坂田銀時。

「で、なんで私が旦那と結婚しなけりゃいけないわけ」
「や、それが元忍のストーカーがしつこくってさ。いやよく毎回毎回ああもソファーの裏やら箪笥の中から出てくるもんだと思うけど、最近俺の布団にまで忍びこむようになっちまって。
ほら、うち思春期のガキが二人もいるでショ?それなのにあの女、淫語連発しまくっておかげで神楽が変な言葉ばかり覚えちゃってまぁ、すっごく大変なんだよねぇ?ところであのストーカー一体誰の元部下だったっけ?

すいません、本当にごめんなさい

「で、どうしたらいいか新八と相談して、俺に女がいたらいいんじゃないかってありきたりな発想しか思いつかなっかったんだけど、普通の女じゃあのストーカー納得しねぇし、昴流ちゃんならあの女も手を引くしかねぇんじゃねぇかって結論にいたったわけよ」


じとっと魚の死んだような目の男が私を見据える。その視線に耐えられず、私は足元のロファーを見つめた。
さっちゃんの旦那へのストーカー行為はさすがに目に余るものがあり、私も度々注意しているのだが、最近は私の言うことも聞かなくなっている。
その原因が「最近ゴリラストーカーという心強い同志を得た」というもので、要する「お前の上司も同じことしてるんだけど」という言い分がさっちゃんにはあるらしい。
そう言われてしまえば、正直弱い。というか、こちらは何も言えない。


「で、返事は?」

にやりといやらしく旦那に返す言葉は一つしかない。すでに退路はふさがれている。
部下の失態は上司の責任、例え頭に「元」がついても尻拭いもまた仕事の内の一つなのだ。

「謹んでお受け致します」
「じゃ、明日から万事屋に嫁入りってことでヨロシク」

ひらひらと手を振りながら上機嫌に歩いていく旦那の上を「アホーアホー」と鳥が鳴いて飛んでいる。
アホは坂田でも私でもなく、さっちゃんなのだと鳥に言い訳する気力もなく、私は屯所へ戻るのだった。
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