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鴨太郎と私の異変②

重い足取りで屯所に着き、まず誰に報告したらいいものかと考えた。
家族に、ということなら退だけれど、まずは局長に話すのが筋という気もする。
けれど私を真選組につれてきたのは松平長官なわけだから、ここはとっつあんに報告する方が良いのだろうか。

あれこれと考えながら廊下を歩いて、局長でいいか、という結論に辿り着く。
退はまだ帰っていないようだし、長官にわざわざ連絡するようなことでもないだろう。
私はつるつるとやけに滑る廊下を歩きながら、局長室の障子を手前に引いた。

「近藤さん、いますかー」
「おー、昴流、お帰り」
「実はちょっと嫁に行くことになったんで、とりあえず明日から行ってきます」
「んー、そうか御苦労様・・・て、ぇええええ!!なんだろ、俺耳腐っちゃったかな、最近耳掃除してなかったからなんか変な単語聞こえたような気がするんだけど、気のせいだよね!?
「明日からちょっと嫁に行ってくるって言ったんですけど聞こえませんでした?」
「え、ちょ、なにそのちょっとお花摘みに行ってくるってその軽いノリ!?ちゃんと説明しなさい!お父さんにちゃんと説明しなさい、ほら、そこ座って!!」
「これから荷造りしなきゃいけないんで、お断りします。心配しなくても父親役は局長じゃなく長官ですから」
いやいやいやいや、まだそういう段階じゃないよね?まさかできちゃったの!?あれでアレしてお腹にアレ的なものができちゃったのぉおおおお?
「あーもー説明めんどいんで、部屋戻りますね。じゃ、おやすみなさい」
「ままま、待ちなさいって昴流ちゃん!?お父さんにちゃんと説明をおぉおおおお!!!」
だが断る


半狂乱に騒ぐゴリラに一発かましつつ、さて次はどうしようかと考える。
結婚なんてこの間、行く宛てがないなんて鴨太郎と話をしていたばかりなのに、妙なことになった。
もちろん本当に嫁にいくわけじゃないけど、それを今から周囲にネタばれしてはいざという時にさっちゃんにバレる可能性がある。なんたって相手は自分が育てた忍なのだから。
忍を騙すにはまず身内から、これ常識だ、忍アカデミーの試験に出るぞ、覚えとけこの野郎。


「あ、姉さん、お帰り。いや、ただいま?」
「あんたが今帰ってきたんだから、あんたがただいまで、私がおかえりでしょーが」
「じゃあただいま。どうしたの、機嫌悪そうだけど」


その時、右手に大量のマヨネーズが入った袋を持って退が帰ってきた。
玄関ではなく縁側で靴を脱いだところをみると、そのまま台所にいくのだろう。
副長はマヨネーズの保存法にまでこだわりがある。正直、ウザい。


「退、私明日から嫁に行くことになったから」
「ふーん、そう。じゃあ俺も付き合おうか・・・、ってYOMEってどこの地名?」
「地名じゃない。女が家に入るって書いて嫁入り」
「嫁?」
「そう」
「よめいり」
「そう」
よめいりぃいいいいいいい!!!!??



その声は屯所中に響き、たちどころに昴流の嫁入りは隊士達の知るところとなった。










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