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鴨太郎と私の異変④

「ひゃっほう!昴流の姉御!!ちゃんと嫁入り道具に酢昆布持ってきたアルか!」
「ちょっと神楽ちゃん?なんで嫁入り道具に酢昆布?それただのたかりでしょ」
「何言ってるアルか、新八!嫁入り道具に酢昆布は夜兎じゃ常識ネ!そんなことも知らないアルか!」
「知らねーよ!あんた以外夜兎いねぇーじゃん!知るはずないし!つーか違うでしょ、絶対それ夜兎の常識じゃないでしょ!!」
「相変わらず万事屋の旦那のとこも賑やかだよね・・・」

玄関開けた途端のこの歓迎ぶりというか騒ぎっぷりにちょっと引きつつ、私は新八君に案内されるまま万事屋の中へ入った。ここへ来るのは初めてじゃないが、そう頻繁に来ることもない。
攘夷戦争に参加していた坂田銀時とは鬼庭番衆時代に何度かやり合っているので、実は局長や長官よりも付き合いが古いのだが、それを知る者は少ない。多分目の前の二人も知らないだろう。まぁ・・敵同士だったからさしたる交流もなかったのだけれど。

昔のことを思い出すと、ますます自分がここにいることが不思議になってくる。
あれ?ほんと私なんでここにいるんだろ?別に良くね?万事屋の旦那がさっちゃんにストーキングされてたって別に私に関係なくね?

「ねぇ、私やっぱり帰っていい?」
「なぁに言ってんだよ、俺が逃すとでも思ってんの?」
「デスヨネー」


がしっと掴まれた肩には若干力がこもっている。ため息をついてちらりと後ろを見るとなんとも言えずむかつく顔でにやりと笑った銀髪がいた。


「で、私はどこで寝ればいいわけ?荷物は?」
「もちろん俺の部屋で寝るに決まってんだろうが。新婚なんだからな!」
「げっ、本気?」
「本気と書いてショヤだ」
初夜って、そこまで許した覚えねぇーぞ、糖尿予備軍!
「いやいや、拒否権なんかないね。俺は亭主関白でいくからね!!」
「いらないから、そんな宣言!!私神楽ちゃんと寝るからね!?」

そう言って神楽ちゃんの方を見ると、酢昆布をくちゃくちゃ言わせながら、可愛らしい顔して爽快に言い放つ。

「私の押入れ一人用アル。夫婦は一つの布団で寝るもんだってパピー言ってたアルよ」
「なんで押入れなんかで寝てるの、神楽ちゃん!!」
「そういうわけで姉御は銀ちゃんと寝るヨロシ。それとも姉御は抱き枕派アルか?人肌が恋しくて一人で寝れない派アルか?いつも鴨野郎抱いて寝てるから寂しいってんなら、特別に定春貸してあげてもいいアル。酢昆布3つっで手を打つネ」

神楽ちゃんの発言に新八君の顔が赤く染まり、旦那がピタリと動きを止めた。
シーンと静まる万事屋の中で、くちゃくちゃと酢昆布を咀嚼する音だけが響いている。


「あ、あのさ、神楽ちゃん・・・・」
「何アルか?」
「鴨野郎・・・って誰のこと?」
「税金泥棒のツンデレ陰険インテリメガネ野郎のコトネ」
「なんで鴨太郎と私が共寝してることになってるわけ?」
昴流さん、まずは神楽ちゃんの認識を否定して上げてください!!」
「ドS野郎が言ってたアルよ?姉御と鴨野郎は大人の爛れた関係でいつもにゃんにゃんにゃんしてるって」
「神楽ちゃんそれ嘘だから。この世でもっとも嘘つきなガキの言うこと信じないでお願いだから」
「じゃあ姉御は、鴨野郎と銀ちゃんどっちが好きアルか?」


無邪気に投下された爆弾。
新八君がなにか言おうと口を開いた瞬間、ガシャーンと大きな音がして万事屋の玄関が破壊される音がした。


「坂田銀時!!諸悪の権現は貴様だぁあああ!!!!」
「最悪のタイミングでくんな、鴨野郎!!」


バズーカでも放ったのか爆音と共に沸き上がる土煙の中から現れたのは鴨野郎、ではなく鴨太郎。
旦那の頭上目掛けて鴨太郎の手に握られた新巻鮭が唸りを上げる。

「おお、間男乱入アル!リアル昼ドラ、ドキドキするネ!!」
「いや、この場合銀さんが間男なんじゃない?というかなんで新巻鮭!?ダメじゃん!それ完全にお祝いムードじゃん!!あんた一体なにしに来た!!」

新八君のツッコミに旦那がニヤリと笑う。

「あーあー、わざわざお祝いに来てくれたんですかー?ありがとうございます、俺の嫁のただの上司さん
「誰が祝いになど来るか、腐れニートが!!」
「おい、俺の嫁の昴流。お客さんだよーお茶だしてあげてー」
「はーいって言えばいいの?というかなにしにきたの、鴨太郎」
「黙れ、バカ女!君のような常識知らずのアバズレを世間に出すのは真撰組の恥となるから回収しにきただけだ!!」
「はぁ?馬鹿アル、アイツ馬鹿アル!!そこは俺の女に手を出すんじゃねぇーよってタンカ切るとこネ!」
「ああ、うん。そうだね。これに関しては神楽ちゃんが正しいよ。駄目男だ、この人。伊東さん、あんたこのままじゃ腐れニート以上の駄目男確定ですよ。ねぇ!昴流さん!・・・・!昴流さん?」



新八君の言葉は私に届かなかった。わざわざこんなところまでやってきて人のことアバズレ呼ばわりとは・・・


「旦那!こんなヤツほっといてお風呂でも入ろう、一緒に!!」
「お、いーね、いーね!銀さん待ってたよーこんな展開待ってた!!」
「ちょちょちょ・・・銀さん!?昴流さんも一体なに言ってんですか!」
「行こう、旦那!どーせ私はアバズレだし!?旦那とお風呂入るくらいなんでもないもんね!」
「いやいやいやいやむしろアバズレ大歓迎だよ?銀さんアバズレ再教育とかっていうのも燃えちゃうよ?」
「じゃあそういうことで、サヨウナラ、ただの上司の伊東参謀!!


バターンと浴室の扉を閉まる。あとに残されたのは灰になった男と二人の残酷な子供。


「お前にはガッカリアルよ、これでお前もマダオの仲間入りネ」
「ああ・・・うん・・そうだよね。僕も敢えて言わせてもらいますよ、このマダオ野郎」
「・・・・・・・・・・・・・」
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